養育費の基本額(月払い)のポイントを解説
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初めまして、行政書士の辻 雅清と申します。
2010年に開業以来、下記業務について力を入れております。
・離婚協議書作成(全国対応)
・離婚公正証書の代理作成(全国対応)
離婚公正証書を作りたい。と考えている方の多くが、
夫婦間で決めた条件の文書化(書面化)で苦労することが多いです。
ここでは子どもの養育費(月払い基本額)の書き方を解決するために、
離婚公正証書の文書例やテンプレートを交えながらわかりやすくお伝えします。
離婚公正証書全体のひな形については、
離婚協議書・公正証書のサンプルと書き方‐具体的な文例やひな形を掲載をご覧下さい。
【目次】
○ 養育費の基本額の文書例と解説
○ どうして終期などを具体的に書く必要がある?
○ 養育費の月払いは簡単に合意できる?
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?
養育費の基本額の文書例と解説
甲は乙に対し、長女の養育費として、令和7年4月から令和24年3月まで、毎月金4万円ずつの支払義務のあることを認め、毎月15日までに当月分の養育費を長女名義の口座に振込むことにより支払う。
先ず離婚公正証書や離婚協議書を作成する場合、
甲(支払者)、乙(受取者)といった表記を利用します。
甲は夫、乙は妻になるケースが多いです。
なお、子どもは「丙・丁」と書くことになりますが、
当事務所ではわかりにくいので「長女・二女」といった表記を使っています。
養育費の文書例は各ご夫婦によって異なります。
ただ文書例のような月払い基本額は全てのご夫婦が利用できるものです。
注)月払い基本額以外の条件については各ご夫婦ごとに異なります。
離婚公正証書に養育費の月払い基本額を定める場合、
文書例の通り、始期、終期、支払額、支払日、以上4点を具体的に書くことが大事です。
例えば終期を専門学校卒業までと書いた場合、
将来、年数(1年?2年?3年?)で揉める可能性が出てきます。
つまり専門学校という表記だと年号表記に比べて抽象的ということです。
具体的に書く。ということがわからない場合は、具体的な数字とイメージするとわかりやすいです。
〈具体的な数字とは?〉
・始期=令和7年4月
・終期=令和24年3月
・支払額=毎月金4万円
・支払日=毎月15日
なお、文書例では振込先を長女名義の口座にしていますが、
夫婦間協議の結果、親権者名義の口座にしても問題ありません。
子どもが複数いる場合、振込手数料を考慮して親権者名義にすることが多いです。
どうして終期などを具体的に書く必要がある?
離婚公正証書を作成する目的は養育費などの未払い時に強制執行(財産の差押え)をするためです。
強制執行を念頭に置くのであれば、極力抽象的な表記は避けて、具体的な表記で書く方がいいと考えられています。
表記について悩んだ場合は専門家への相談をお勧めします。
養育費の月払いは簡単に合意できる?
養育費の月払い基本額は離婚条件の中心になることが多いです。
特に支払額と終期の決定については、夫婦間合意まで時間がかかりやすいです。
なぜなら支払額と終期は養育費の支払総額に影響が出るためです。
例1)月4万円×10年間=支払総額は480万円
例2)月4万円×12年間=支払総額は576万円
支払総額に影響が出るということは双方の希望条件に隔たりが生じやすいです。
例)父親は20歳まで、母親は大学卒業までという隔たりが起きる。
時間がかかるからと言って簡単に諦めないで下さい。
離婚協議の時間より離婚後の人生の方がはるかに長いです。
双方が納得できるようにじっくりと時間をかけて話し合ってほしいです。
養育費は子どもの成長のためのお金。双方がこの視点を持って話し合うことが大事です。
【参考情報】
・離婚公正証書のひな形(養育費の加齢加算編)‐ボーナス払いの条件も解説
・離婚公正証書のひな形(養育費の学費編)‐進学費用の見本と書き方
・離婚公正証書のひな形(養育費の事情変更編)‐離婚条件の変更も解説
離婚チェックシートの回答から始めませんか?
離婚協議書や離婚公正証書作成のご依頼を頂いた場合、
これまでの経験を反映した離婚チェックシートの送付から始めます。
注)離婚チェックシートだけの販売は行っておりません。
何度も内容のアップデートを繰返しています。
つまり開業以来の経験を多数反映したものとなっています。
離婚チェックシートとは
1.計13ページ63項目を掲載
2.協議離婚に必要な情報を全て網羅
3.わかりやすいように○×回答形式で掲載
(注)一部手書きでの回答項目もあります。
主に養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割の情報を掲載。
20代~40代のご依頼者様が多いので養育費と面会交流の項目が多いです。
なお、3年位前からは世代を問わずご依頼を頂いております。
世代に応じてテーマになる離婚条件(退職金など)は異なりますが全て対応できます。
具体的には以下のように掲載されています。
例「養育費の分割払いの終期は?(選択肢はA~E)」
例「教育費用(入学金など)はどうしますか?(選択肢は4つ)」
例「面会交流で中傷表現禁止事項を作りますか?(選択肢は2つ)」
このように離婚公正証書などの作成に必要な情報を掲載しているので、
夫婦(自分)で離婚情報を集める時間は不要となり、効率良く話し合いができます。
なお、弁護士法の規定により相手方との交渉はお引受できません。
補足として+aの条件も多数掲載しており、○と回答した項目が多い場合、
養育費と面会交流の条件だけでもそれぞれ10個以上になるご依頼者様もいます。
+aの条件とは養育費と面会交流の項目に多く、
これらを検討することで離婚後のトラブル防止や後悔しないことに繋がります。
こういう訳でご依頼者様からは大変好評を頂いております。
詳細は離婚チェックシートとはをご覧下さい。
【養育費の書き方 2025/03/28】