離婚協議書・公正証書のサンプルと書き方

ひな形・テンプレート・文例を掲載しています。
細かい条件まで記載すれば、完成度が高い離婚協議書や公正証書ができます。

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第1条 親権者

夫 辻雅清(以下「甲」という。)と妻 辻久子(以下「乙」という。)とは、
甲乙間の未成年の長女 花子(平成27年10月15日生)の親権者を乙と定め、
乙において監護養育することとして、協議離婚(以下「本件離婚」という。)すること、
及び離婚届に署名押印の上、その届出を速やかに行うことを合意し、
かつ、本件離婚に伴う給付等について、次のとおり合意した。

サンプルでは「長女」としていますが、「丙・丁」という書き方でも構いません。
当事務所ではわかりやすいように「長女・長男・二女」という書き方で作成しています。

第1条は離婚前に離婚協議書や公正証書を作る場合の書き方です。
離婚届提出後(離婚後)に作成する場合、少しだけ書き方が変わるのでご注意下さい。

第2条 養育費

詳しくはこちらです

1項 基本額
甲は乙に対し、長女の養育費として、令和4年12月から令和13年3月まで、
1か月金4万円ずつの支払義務のあることを認め、毎月15日までに当月分の養育費を
乙が指定する長女名義の口座に振込むことにより支払う。振込手数料は甲の負担とする。

各夫婦によって養育費の条件は大きく変わります。
基本額とは別に夫婦間で合意した個別条件を追加して下さい。
(打合せを通じて、サンプルでは4個ですが、個別条件が10個以上になるご依頼者様も多いです。)

離婚協議書や公正証書作成のご依頼を頂いた場合は、
離婚条件を記載した離婚チェックシート(全13ページ63項目)の送付から始めます。
チェックシートがあればサンプルやひな形を通して、養育費などの情報を集める時間を省略出来ます。
(詳細は離婚チェックシートとはをご覧下さい。)

養育費の金額は夫婦間の話し合いで決めることになります。
相場については、養育費の相場を知りたい‐年収・子供の人数別の早見表を紹介をご覧下さい。

サンプルでは振込先を「長女名義」としていますが、「親権者名義」の口座でも構いません。
ご依頼者様の特徴としては子供が1人の場合は子名義、複数の場合は親権者名義にしています。

養育費の支払方法はサンプル通り「振込」が多いですが、
振込忘れを防ぐために「自動送金」を選択するご依頼者様もいます。
(注)各銀行によって契約期間(5年など)に違いがあるので、事前確認をして下さい。

2項 加齢加算
甲は乙に対し、長女の養育費として、令和13年4月から令和20年3月まで、
1か月金5万円ずつの支払義務のあることを認め、毎月15日までに当月分の養育費を
乙が指定する前項記載の口座に振込むことにより支払う。振込手数料は甲の負担とする。

子供の成長と共に必要なお金も増えていくので、
終期まで同一額ではなく、年齢に応じて基本額を上げることも可能です。
ちなみに加齢加算ではなく、ボーナス月に上乗せをするという支払方法もあります。

サンプルの令和13年4月は高等学校入学の月、
令和20年3月は4年制大学卒業の月で、高校入学から加齢加算としています。

終期の書き方はサンプルのような年代(元号)、又は年齢表記にして下さい。
年代とは「西暦・平成・令和」、年齢とは「20歳の誕生日月まで」を言います。
学校表記(高等学校卒業までなど)は離婚後のトラブルに発展する可能性があります。

3項 学費
長女の4年制大学への進学に伴う学費について、甲が7割、乙が3割負担する。

現実的に基本額だけでは学費までカバーできないケースが多いので、
追加条件として学費の合意(負担割合)をしておくと、将来の不安軽減に繋がります。
サンプルでは負担割合を7対3としていますが、夫婦間の話し合いで自由に決めて下さい。

サンプルでは「進学に伴う学費」と記載しており、抽象的な表現なので、
「入学金・授業料・塾代」といった具体的な表現を選択するご依頼者様が多いです。
尚、養育費に限らずその他の条件でも、できる限り抽象的な表現は避けるようにして下さい。
抽象的な表現は離婚後のトラブルの種になりやすいです。

4項 事情変更
将来、甲又は乙の入院、再婚、事情の変更があった時は、
甲及び乙は、長女の養育費について、改めて誠実に協議する。

サンプルの「入院・再婚」はよくある事情変更の例示なので、
夫婦間の協議の結果「失職・減給・病気」といった変更理由を追加しても構いません。

第3条 慰謝料

詳しくはこちらです

1項 慰謝料の合意
甲は乙に対し、慰謝料として金200万円を支払う義務があることを認め、
これを下記記載のとおり、乙が指定する乙名義の口座に振込むことにより支払う。
振込手数料は甲の負担とする。

(1)前払金(証拠)
金200万円の内、金80万円については、
令和4年11月1日に甲が乙へ支払い、乙はこれを受領した。

(2)分割金
令和4年12月から令和5年11月まで毎月15日までに毎月金10万円

(1)前払金があるケースでは(2)分割金と一緒に記載して下さい。
これは証拠になるので「払った・受取っていない」といった離婚後のトラブル防止に役立ちます。

サンプルは(1)前払金+(2)分割金という支払方法ですが、
夫婦の状況に応じて、一括払い・ボーナス払い・年払いなど様々な組合せが考えられます。

サンプルでは割愛していますが、(2)分割金の合意をした場合は、
期限の利益の喪失事項(支払が遅れたら全額請求されても構わない)も記載して下さい。

第4条 財産分与

詳しくはこちらです

1項 預貯金(証拠)
甲名義及び乙名義の預貯金の残高を合算した金200万円の内、
甲が金70万円、乙が金130万円を受領した。

2項 金銭支払の合意
甲は乙に対し、本件離婚に伴う財産分与として金50万円を給付することとし、
これを令和4年12月から令和5年4月まで、毎月15日までに金10万円ずつ計5回に分割し、
乙が指定する前条第1項記載の口座に振込むことにより支払う。振込み手数料は甲の負担とする。

3項 自家用車(証拠)
甲名義の自家用車は甲が取得する。

各夫婦によって財産分与の条件は大きく変わります。
不動産・お金・動産(家具や電化製品)・自動車などの分配方法を話し合って下さい。

サンプルでは割愛していますが、金銭支払の合意をした場合は、
期限の利益の喪失事項(支払が遅れたら全額請求されても構わない)も記載して下さい。

自家用車については所有台数に応じて、車検証の情報を記載して下さい。

第5条 面会交流

1項 定期面会
1か月の内、1回実施する。
日時、場所については、面会交流の都度、甲乙間において協議する。

各夫婦によって面会交流の条件は大きく変わります。
定期面会とは別に夫婦間で合意した個別条件を追加して下さい。
(打合せを通じて、サンプルは4個ですが、個別条件が10個以上になるご依頼者様も多いです。)

離婚協議書や公正証書作成のご依頼を頂いた場合は、
離婚条件を記載した離婚チェックシート(全13ページ63項目)の送付から始めます。
チェックシートがあればサンプルや文例を通して、面会交流などの情報を集める時間を省略出来ます。
(詳細は離婚チェックシートとはをご覧下さい。)

父親と子供が面会することに抵抗感がない場合は1項のような抽象的な文例となり、
抵抗感がある場合は具体的な文例(実施時間・実施場所などの指定)になりやすいです。
つまり面会交流の書き方については、各夫婦によって大きく異なるケースが多いです。

2項 親権者の同伴
乙が同伴して参加する。
ただし、乙の同伴については長女の意思を尊重した上で決定する。

子供が幼い場合、サンプルのように親権者同伴の条件を入れるご依頼者様が多いです。
ただ高校生になっても同伴だと違和感があるので、「長女の意思を尊重」を入れています。

3項 禁止事項
円満な面会交流を実現するために、
長女に対して、他方に対する中傷を含む言動をしてはならない。

面会交流は「子供の成長のため」という視点で実施されるので、
父親と母親双方が子供に対して、「他方の悪口を言わない」という約束は重要です。
多くのご依頼者様がこの文例を入れています。

4項 費用負担
面会交流にかかる費用の負担については、都度、甲乙間において協議する。

面会交流の費用とは遊園地・映画館・食事等の費用を言います。

サンプルでは「都度協議」と記載していますが、
「全額甲(父親)が負担」という合意をされるご依頼者様が多いです。

第6条 年金分割

詳しくはこちらです

甲(第1号改定者)及び乙(第2号改定者)は、
厚生年金保険法第78条の2の規定に基づき、日本年金機構理事長に対し
対象期間(婚姻期間)に係る被保険者期間の標準報酬の改定又は決定の請求をすること
および請求すべき按分割合を0.5とすることに合意した。

年金分割で減る側が第1号改定者、増える側が第2号改定者です。
難しい言葉が多いですが、書き方としてはサンプル内の按分割合(0.5)以外は丸写しで構いません。
按分割合は夫婦間の話し合いで決定して下さい。

年金分割(厳密には合意分割)の合意を離婚公正証書に記載することは可能ですが、
公証役場手数料を考えると、別に「年金分割の合意書」という書面の作成をお勧めします。
年金分割の合意書を作成することで、公証役場手数料の節約に繋がります。

第7条 通知義務

甲が離婚後、住所地を変更した場合は、変更から14日以内に、
新しい住所地が記載された住民票写しの原本を書留郵便にて発送し、通知しなければならない。

当事務所では通知義務を大切な条項と考えております。
離婚後の住所地を把握できるよう、サンプルのような具体的な記載が望ましいです。
(具体的な書き方 14日以内・住民票写しの原本・書留郵便。)

住所地以外に携帯電話番号や勤務先変更も通知義務に入れることをお勧めします。
養育費などの未払い時に給与を差押える場合、勤務先を把握していないと手続きが難しいです。

サンプルでは割愛していますが、通知義務については、
通知義務の期限や費用負担(住民票取得や郵送費は誰が負担?)の条件も記載するようにして下さい。
こういった細かい点までこだわることで、質の高い離婚協議書や公正証書ができます。

通知義務の期限は、養育費などの支払が終了するまでとなります。つまり一生涯ではありません。

第8条 清算条項

甲及び乙は、本協議書に定めるほかには、他に何らの債権債務が存しないことを確認した。

サンプルにある「本協議書」は離婚協議書用の書き方です。
離婚公正証書を作成する場合は、「本公正証書」という書き方に変わります。

清算条項とは合意した条件について、離婚後、蒸し返しませんという約束です。
これがないと離婚協議書などを作成した意味が薄まるので、例外を除いて記載するようにして下さい。
清算条項がない場合、離婚後のトラブルに発展する可能性があります。

第9条 強制執行

甲は本契約に基づく金銭債務を履行しない時は、直ちに強制執行に服する旨陳述した。

離婚公正証書を作成する場合、強制執行の合意を記載して下さい。
この合意がないと未払いが起きた際、強制執行ができないので作る意味がありません。

このサンプルは離婚協議書には不要なので、記載する必要はありません。

甲と乙は上記の通り合意したので本書2通を作成し、甲乙各自署名捺印の上各自1通を保有する。
令和4年11月20日
甲 住所 大阪府○○市1丁目1番2号(住民票通り書く)  氏名 辻 雅清  実印
乙 住所 大阪府○○市1丁目1番2号(住民票通り書く)  氏名 辻 久子  実印

日付・住所・氏名は手書きとなります。
甲欄は夫が記入し、乙欄は妻が記入することになります。

サンプルや書き方を利用する際の注意点

自分で離婚協議書や離婚公正証書原案を作成する場合、
インターネット上のサンプル・書き方・文例・ひな形などを参考にする方が多いです。

その後、サンプルなどをコピー&ペーストする場合は、
必ず「コピーするサンプルの意味を理解する」ようにして下さい。

各サンプルの意味を理解せずにコピペをすると、以下のような離婚協議書ができます。

・夫婦に関係のない条件が記載されている状態(無効)
・本来、記載するべきでない条件が記載されている状態(勘違い)

離婚後、こういった事実を知った場合、トラブルに発展したり後悔することになります。

本来、離婚協議書や離婚公正証書にはトラブル防止という効力があるのに、
これではせっかく時間をかけて、頑張って作成したものが台無しになってしまいます。

各条件の意味を理解してからサンプル・書き方・文例を利用する。

このことを忘れないようにして下さい。

プロフィール

行政書士辻法務事務所
行政書士 辻 雅清
所属:日本行政書士会連合会(登録番号 第10260068号)
所属:大阪府行政書士会(会員番号 第005810号)
資格:行政書士、MOS(Word・Excel)、日本漢字能力検定2級

事務所:大阪府大東市寺川5-18-73
電話番号:072-871-9922/090-8886-9922
主要業務:離婚協議書作成、離婚公正証書原案作成

開業準備中、友人からの離婚相談をきっかけに、
離婚協議書や離婚公正証書の原案作成に力を入れることになりました。

このページでは実務で使えるサンプル・書き方・ひな形を公開しており、
これから離婚協議書や公正証書の作成予定の方には役立つ内容だと言えます。

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