年金分割の基本的なポイントを解説します
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初めまして、行政書士の辻 雅清と申します。
2010年に開業以来、下記業務について力を入れております。
・離婚協議書作成(全国対応)
・離婚公正証書の代理作成(全国対応)
離婚時の年金分割の仕組みは難しい言葉が多いため、よくわからない。という壁にぶつかる方が非常に多いです。
ここでは年金分割の仕組みの基本編としてどういう制度なのか?という点に絞ってわかりやすく解説します。
なお、年金分割の相場や手続きなどの詳細は以下のページをご覧下さい。
わかりやすい離婚時の年金分割の情報通知書や相場‐手続きを解説
【目次】
○ 年金分割の仕組みとは?
○ 婚姻期間が長い場合は年金分割を検討するべき?
○ 年金分割の制度ができた経緯とは?
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?
年金分割の仕組みとは?
離婚時の年金分割は馴染みがない制度なので、
イメージが湧かない。と考えるご依頼者様が非常に多いです。
年金分割の仕組みを噛み砕いてお伝えすると、
婚姻期間中に納付した厚生年金や共済年金を分割することです。
注)平成27年10月から共済年金は厚生年金に統一されています。
つまり厚生年金などを分割することで、将来受取る年金額が一方は減り、他方は増えることになります。
婚姻期間が長い場合は年金分割を検討するべき?
婚姻期間が長いご夫婦の場合、将来受取れる年金額に大きな変動があるので、離婚する際は必ず年金分割について検討することが大事です。
仮に夫が会社員で妻が専業主婦だった場合、
夫は国民年金+厚生年金、妻は国民年金。と納付している年金の種類が異なります。
注)扶養内の仕事をしている場合は専業主婦と同じ扱いです。
つまり将来受取れる年金額(夫>妻)に差が生じます。
定年後の生活費=夫の年金+妻の年金
夫の定年後も婚姻関係が続く場合、ご夫婦の財布は1つです。
ただ離婚すると財布は別々になるので、受給金額が少ない妻は生活に困る可能性が高いです。
仮に婚姻期間が40年で妻が専業主婦だった場合、
妻は国民年金しか受給できないので、年金生活は厳しくなります。
なお、婚姻期間が短いご夫婦でも年金分割の申請をすれば受給額は増えます。
受給額が大きく増える可能性は低いですが、婚姻期間が短いから年金分割は検討しない。と考えるのは誤りなのでご注意下さい。
年金分割の制度ができた経緯とは?
年金分割の制度は以下のような夫婦間の不公平感を解消するために生まれました。
〈不公平感とは?〉
・私が支えたから夫は仕事ができた。
・夫婦で頑張ったから私にも厚生年金を受取る権利はある。
上述の通り、妻が専業主婦だと会社員の夫と比較すると年金受給額は少ないです。
このことから不公平感をなくすために、夫が納付した厚生年金を妻に分割する。という年金分割制度ができました。
なお、年金分割は多く納付した側が配偶者に分割する。という仕組みです。
つまり婚姻中の働き方によっては妻が夫に分割する。というご夫婦も存在します。
〈妻が分割する側になるケースとは?〉
・婚姻中は妻が会社員で夫が専業主夫だった。
・共働きの夫婦だったけど、妻の方が年収が多かった。
年金分割は夫から妻へ分割する。という一方通行ではなく、妻から夫へ分割するケースもあるということを覚えておいて下さい。
最後に年金分割は全てのご夫婦が利用できる制度ではありません。
具体的な申請条件や申請方法などについては下記参考情報をご確認下さい。
【参考情報】
・離婚Q&A(年金分割編の基本編)‐年金分割の6つの疑問に回答
・年金分割の申請ができる職業とは‐自営業、会社員、公務員?
・3号分割の基礎知識
・合意分割の仕組みを具体例でやさしく解説‐離婚時の年金分割
・離婚公正証書に年金分割を書く‐年金分割合意書の費用も解説
離婚チェックシートの回答から始めませんか?
何度も内容のアップデートを繰返しています。
つまり開業以来の経験を多数反映したものとなっています。
開業した頃、離婚協議書などの作成相談を受けた際、
以下のような悩みを持つ方が多く良案はないか?と考えていました。
・何から始めたらいいかわからない。
・書き漏れがないように効率良く進めたい。
・しっかりした離婚協議書や離婚公正証書を作りたい。
そして自分の考えを整理できる○×形式のチェックシートがあれば、
効率良く進められるし、こういった悩みを解決できるのではと考えました。
こういった経緯があり離婚チェックシートを作りました。
離婚チェックシートとは?
1.計13ページ63項目を掲載
2.離婚協議書などに決めることを掲載
3.自分で財産分与などの情報を集めなくていい
離婚協議書や離婚公正証書作成のご依頼を頂いた場合、
離婚チェックシートの送付と内容説明(90分)から始めます。
養育費、面会交流、慰謝料、財産分与、年金分割などを掲載しています。
20代~40代のご依頼者様が多いので養育費と面会交流の情報が多いです。
なお、3年位前からは世代を問わずご依頼を頂いております。
世代に応じてテーマになる離婚条件(退職金など)は異なりますが全て対応できます。
具体的には以下のような形で掲載しています。
・養育費の終期はいつまでにしますか?(選択肢は4つ)
・動産の分配はどう記載しますか?(選択肢は3つ)
このように自分の考えを整理しやすいように掲載しているので、
自分で離婚条件の情報を集める必要はなく効率良く離婚の協議を進めれます。
注1)離婚チェックシートのみの販売はしておりません。
注2)弁護士法の規定により相手方との交渉はお引受できません。
離婚チェックシートに回答後、じっくりと打合せを行い、
ご夫婦の意向に沿った質量共に充実した離婚協議書などを作成します。
詳細は離婚チェックシートとはをご覧下さい。
【年金分割 2025/04/14】