年金分割の申請可否は婚姻中の職業に応じて決まります

著者は年金分割の問題に強い行政書士の辻雅清

公開

初めまして、行政書士の辻 雅清と申します。

2010年に開業以来、下記業務について力を入れております。

・離婚協議書作成(全国対応)
・離婚公正証書の代理作成(全国対応)

離婚時の年金分割の申請は全ての人ができる制度ではなく、
婚姻期間中の夫と妻の職業によって申請の可否が決まります。

ここでは職業別の年金分割の申請の可否についてわかりやすく解説します。

なお、年金分割の相場や手続きなどの詳細は以下のページをご覧下さい。
わかりやすい離婚時の年金分割の情報通知書や相場‐手続きを解説

【目次】

○ 職業別の申請可否一覧
○ 夫と妻どちらが分割する側になるかわからない場合は?
○ 夫が結婚5年目に独立(自営業)した場合は?
○ 国民年金基金や個人年金は年金分割の対象?
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?

職業別の申請可否一覧

① 夫は会社員で妻も会社員 (○)
② 夫は会社員で妻は専業主婦(○)
③ 夫は自営業で妻は会社員 (○)
④ 夫は自営業で妻は専業主婦(×)
公務員、派遣社員、契約社員、扶養外パートも会社員と同じ扱い。

先ず離婚時の年金分割の申請を行うためには、
婚姻中に厚生年金(共済年金)を納付している必要があります。

つまり国民年金しか納付していない自営業の場合、年金分割の申請はできないです。

婚姻中、ご夫婦の内一方でも厚生年金を納付している場合、
年金分割の対象夫婦となり、現実的には①や②に該当する方が多いと思います。

なお、②では夫から妻へ分割することになりますが、
①で妻が夫より厚生年金を多く納付している場合、妻から夫へ分割することになります。

つまり年金分割は夫から妻という一方通行ではなく、妻から夫になる可能性がある。という制度です。

最後に④は夫も妻も国民年金しか納付していないので、年金分割の申請はできないです。つまり夫婦間での年金分割の協議は不要です。

夫と妻どちらが分割する側になるかわからない場合は?

このような疑問を含む夫婦間の年金分割に関する情報は、
年金事務所で発行される年金分割の情報通知書を確認すれば解決します。

年金分割の申請を考えた場合、最寄の年金事務所にて情報通知書の発行請求から始めて下さい。

なお、どちらが分割する側になるかハッキリわかる場合は、
情報通知書を請求しても、請求しなくてもどちらでも構わないです。
例)夫と妻の年収差が500万円以上あり、夫が分割する側と簡単にわかる。

夫が結婚5年目に独立(自営業)した場合は?

上述の通り、年金分割は厚生年金を分割する制度です。
婚姻中に会社員から自営業に転職した場合、会社員時代の分は年金分割の申請ができます。

なお、婚姻中の職業がA会社員→B自営業→C会社員となっていた場合、AとCの期間は年金分割の申請ができます。

以上のことから婚姻中の職業が自営業以外の期間がある場合、
年金分割の申請ができる可能性が高いです。お気軽にご相談下さい。

国民年金基金や個人年金は年金分割の対象?

自営業の方が加入している国民年金基金は年金分割の対象外となります。

なお、民間の保険会社で加入している個人年金などについては、
年金分割で協議するものではなく、財産分与で協議することになります。ご注意下さい。

最後に年金分割の制度は馴染みがなくわかりにくいです。
HP(文字)で調べずに、直接、専門家に電話相談をした方がわかりやすく早く理解できます。

【参考情報】
離婚Q&A(年金分割編の基本編)‐年金分割の6つの疑問に回答
年金分割の仕組みをわかりやすく解説‐年金分割の基本編
3号分割の基礎知識
合意分割の仕組みを具体例でやさしく解説‐離婚時の年金分割
離婚公正証書に年金分割を書く‐年金分割合意書の費用も解説

青色の仕切り線

離婚チェックシートの回答から始めませんか?

何度も内容のアップデートを繰返しています。
つまり開業以来の経験を多数反映したものとなっています。

離婚チェックシートを使って離婚協議書や公正証書を作成します

開業した頃、離婚協議書などの作成相談を受けた際、
以下のような悩みを持つ方が多く良案はないか?と考えていました。

・何から始めたらいいかわからない。
・書き漏れがないように効率良く進めたい。
・しっかりした離婚協議書や離婚公正証書を作りたい。

そして自分の考えを整理できる○×形式のチェックシートがあれば、
効率良く進められるし、こういった悩みを解決できるのではと考えました。

こういった経緯があり離婚チェックシートを作りました。

離婚チェックシートとは?

1.計13ページ63項目を掲載
2.離婚協議書などに決めることを掲載
3.自分で財産分与などの情報を集めなくていい

離婚協議書や離婚公正証書作成のご依頼を頂いた場合、
離婚チェックシートの送付と内容説明(90分)から始めます。

養育費、面会交流、慰謝料、財産分与、年金分割などを掲載しています。
20代~40代のご依頼者様が多いので養育費と面会交流の情報が多いです。

なお、3年位前からは世代を問わずご依頼を頂いております。
世代に応じてテーマになる離婚条件(退職金など)は異なりますが全て対応できます。

具体的には以下のような形で掲載しています。

・養育費の終期はいつまでにしますか?(選択肢は4つ)
・動産の分配はどう記載しますか?(選択肢は3つ)

このように自分の考えを整理しやすいように掲載しているので、
自分で離婚条件の情報を集める必要はなく効率良く離婚の協議を進めれます。
注1)離婚チェックシートのみの販売はしておりません。
注2)弁護士法の規定により相手方との交渉はお引受できません。

離婚チェックシートに回答後、じっくりと打合せを行い、
ご夫婦の意向に沿った質量共に充実した離婚協議書などを作成します。

詳細は離婚チェックシートとはをご覧下さい。

【年金分割 2025/04/09】