離婚したら自分の戸籍や姓はどうなる?

著者は離婚問題に強い行政書士の辻雅清

公開

初めまして、行政書士の辻 雅清と申します。

2010年に開業以来、下記業務について力を入れております。

・離婚協議書作成(全国対応)
・離婚公正証書の代理作成(全国対応)

離婚届には離婚後の戸籍の記入欄があり埋めないと受理されません。
つまり養育費などの離婚条件の協議段階から自分の戸籍や姓を考える必要があります。

ここでは馴染みのない離婚後の戸籍と姓について順序立てて解説します。

【目次】

○ 婚姻前の戸籍と姓はどうなっている?
○ 婚姻中の戸籍と姓はどうなっている?
○ 離婚後の姓の選択肢は2つ
○ 離婚後の姓を選択する際の注意点
○ 離婚後の戸籍の選択肢は3つ
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?

このページは離婚に伴う自分の戸籍と姓に特化した内容なので、
協議離婚の成立条件、進め方、流れなどの情報については掲載していません。

詳細についてはこちらのページをご覧下さい。
5分でわかる協議離婚とは‐進め方などをわかりやすく解説

婚姻前の戸籍と姓はどうなっている?

二男 田中 一郎(両親の戸籍に記載)
長女 鈴木 花子(両親の戸籍に記載)

一郎とは花子(共に初婚)は婚姻前なので両親の戸籍に入っています。

なお、過去に離婚歴がある場合、両親の戸籍に入っているケースは少ないです。
この点は今回のテーマと逸れるため詳細は割愛させて頂きます。

婚姻中の戸籍と姓はどうなっている?

父 田中 一郎(筆頭者)
母 田中 花子(配偶者)
子 田中 麻里(長女)

離婚後の自分の戸籍と姓を理解するためには婚姻中の戸籍から順序立てて確認すると理解が進みます。

花子は一郎との婚姻時に一郎の姓(田中)を名乗ることにしました。
婚姻時に一郎と花子は両親の戸籍から抜けて一郎を筆頭者とする新戸籍を作りました。

婚姻届の「婚姻後の夫婦の新しい本籍」欄に考えて記入された記憶がある方も多いと思います。

そして夫婦間の長女麻里は出生後、当然に両親の戸籍に入ることになります。

離婚後の姓の選択肢は2つ

① 旧姓の鈴木に戻る
② 夫の姓の田中を名乗り続ける

離婚時に離婚後のを選択するのは婚姻時に変更した花子だけです。
つまり婚姻時に姓を変更していない一郎は離婚後も田中のままなので離婚後の姓を考える必要はありません。

原則、離婚に伴い花子は①旧姓(鈴木)に戻ることになります。
ただ離婚後の生活環境、子どもへの影響を考慮して②夫の姓を選ぶこともできます。

〈生活環境や子どもへの影響とは?〉
・旧姓に戻すと勤務先で色々説明するのが大変。
・高校生の子どもが姓を変更することに抵抗感がある。

なお、花子が婚姻時の姓を名乗ることについて一郎の許可は不要です。
つまり離婚後の姓の選択は花子の自由な意思で①と②どちらでも選べます。

婚姻時の姓を名乗ると決めた場合、離婚届とは別に「離婚の際に称していた氏を称する届」の提出が必要です。

この届は離婚後3か月以内。という期限があるのでご注意下さい。
なお、当事務所のご依頼者様の場合、離婚届と同時に提出される方が多いです。

離婚後の姓を選択する際の注意点

上述の通り、離婚後の姓の選択肢は2つあります。

ただ1度決めた姓を変更することは可能ですがハードルは高いです。
このことから簡単に決めるのではなく、離婚後の生活環境などを考慮した上でよく考えて決めてほしいです。

養育費などの離婚条件の協議も大事ですが、離婚後の姓も大事な離婚テーマとなります。

離婚後の戸籍の選択肢は3つ

① 婚姻前の戸籍(主に両親)に戻る
② 鈴木花子を筆頭者とする新戸籍を作る
③ 田中花子を筆頭者とする新戸籍を作る

離婚しても筆頭者である一郎は婚姻時の戸籍に残ります。
つまり離婚後の戸籍を選択するのは婚姻時の戸籍から抜ける(除籍)花子だけです。

なお、離婚の時点では長女麻里は婚姻時の一郎の戸籍に残ります。
詳細は
離婚に伴う子どもの戸籍と姓‐具体例を使ってわかりやすく解説をご覧下さい。

花子は離婚後の戸籍として①~③の選択肢から選べます。
ただし、花子が長女麻里の親権者になる場合、①は選べないのでご注意下さい。

当事務所では未成年のお子様がいるご依頼者様が多いので②又は③を選択される方が多いです。

【参考情報】
協議離婚の3つの成立条件とは?代表的な離婚条件も解説
離婚届で気をつけること‐親権、養育費のチェック欄、証人欄など 
離婚届の証人代行サービスとは?郵送利用で全国対応
協議離婚の失敗例(離婚慰謝料支払の合意編)‐事例1
協議離婚の失敗例(養育費支払の想定外事態編)‐事例2

青色の仕切り線

離婚チェックシートの回答から始めませんか?

離婚チェックシートの概要

離婚協議書や離婚公正証書作成のご依頼を頂いた場合、
これまでの経験を反映した離婚チェックシートの送付から始めます。
注)離婚チェックシートだけの販売は行っておりません。

何度も内容のアップデートを繰返しています。
つまり開業以来の経験を多数反映したものとなっています。

離婚チェックシートとは

1.計13ページ63項目を掲載
2.協議離婚に必要な情報を全て網羅
3.わかりやすいように○×回答形式で掲載
(注)一部手書きでの回答項目もあります。

主に養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割の情報を掲載。
20代~40代のご依頼者様が多いので養育費と面会交流の項目が多いです。

なお、3年位前からは世代を問わずご依頼を頂いております。
世代に応じてテーマになる離婚条件(退職金など)は異なりますが全て対応できます。

具体的には以下のように掲載されています。

例「養育費の分割払いの終期は?(選択肢はA~E)」
例「教育費用(入学金など)はどうしますか?(選択肢は4つ)」
例「面会交流で中傷表現禁止事項を作りますか?(選択肢は2つ)」

このように離婚公正証書などの作成に必要な情報を掲載しているので、
ご夫婦(自分)で離婚情報を集める時間は不要となり、効率良く話し合いができます。

なお、弁護士法の規定により相手方との交渉はお引受できません。

補足として+aの条件も多数掲載しており、○と回答した項目が多い場合、
養育費と面会交流の条件だけでもそれぞれ10個以上になるご依頼者様もいます。

+aの条件とは養育費と面会交流の項目に多く、
これらを検討することで離婚後のトラブル防止や後悔しないことに繋がります。

こういう訳でご依頼者様からは大変好評を頂いております。

詳細は離婚チェックシートとはをご覧下さい。

【協議離婚 2025/07/01】