住宅ローン残高が少ない場合はどう話し合えばいい?
公開
初めまして、行政書士の辻 雅清と申します。
2010年に開業以来、下記業務について力を入れております。
・離婚協議書作成(全国対応)
・離婚公正証書の代理作成(全国対応)
離婚に伴う財産分与で不動産の協議を始めたけど、
住宅ローン残高が少ない場合はどのように話し合えばいいかわからない。という方が多いです。
このページでは不動産の財産分与の悩みを解決するため、
住宅ローン残高が少ない場合の選択肢を具体例を交えながら解説します。
【目次】
○ 代表的な選択肢は2つ
○ 住宅ローン残高を折半することはできる?
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?
このページは不動産の財産分与に特化した内容なので、
お金(預貯金)、動産など他の対象財産については掲載していません。
他の対象財産について詳しく知りたいという方は、
5分でわかる財産分与の相場割合と流れ‐家や貯金の分配方法をご覧下さい。
代表的な選択肢は2つ
① 不動産を売却する
② 離婚後も一方が住み続ける
住宅ローン残高が少ない不動産を財産分与する場合、
協議離婚の話し合いで揉める可能性は低く、条件合意できる可能性が高いです。
先ず①不動産を売却する場合は、売却益の分配方法について協議します。
例)売却益の内、夫が5割、妻が5割取得する。
一般的には折半(50%ずつ)が公平かつ妥当で双方が納得しやすいと思います。
なお、住宅ローン残高が少ない不動産については、
オーバーローン(売却しても住宅ローンが残る)になる可能性が低いと予想されます。
次に夫婦間協議の結果、②離婚後も一方が住み続ける場合、
不動産に残る側が出る側に対して不動産の対価として現金を渡すことが考えられます。
〈現金の支払方法は2パターン〉
・現金を一括で支払う
・一括払いが難しい場合は分割で支払う
例えば、不動産の評価額が800万円で折半合意した場合、
不動産の対価として一括又は分割払いで出て行く側が現金を受取ります。
例)自宅に残る夫が家を出る妻に400万円を一括で支払う。
なお、一括で400万円(評価額の50%)を払える場合は問題ありませんが、
預貯金がなく分割払いになる場合は、以下のような離婚後の生活設計の検討が必要です。
夫「住宅ローンが残り10か月残っている。」
妻「それなら分割払いは11か月後からでいいよ。」
仮に離婚時点で住宅ローンが10か月残っている場合、
分割払いのスタートを離婚成立直後にすると10か月間は2重支払になります。
2重支払とは住宅ローン+不動産対価の分割払いを言います。
2重支払になると未払いの可能性が高くなります。
このことから住宅ローン終了後に分割払いを始める方法をお勧めします。
ここでは不動産の対価支払についてお伝えしていますが、
離婚後の生活設計は他の離婚条件(養育費など)でも検討することが大事です。
なお、分割払いだと未払いのリスクが出てくるので、
合意した条件を書面(離婚協議書や離婚公正証書)に残すことをお勧めします。
特に離婚公正証書には強制執行(未払い時の財産差押え)という強い効力があるので支払率向上が期待できます。
以上のことから住宅ローン残高が少ない不動産の財産分与では、
住宅ローン残高が多い場合と比較すると、離婚協議がスムーズに進む可能性が高いです。
住宅ローン残高を折半することはできる?
ご夫婦の状況に応じて折半できるケースとできないケースが出てきます。
〈どのような状況?〉
・不動産の名義はどうなっているか?(単独又は共有)
・住宅ローンはどうなっているか?(単独、連帯債務など)
・不動産以外の財産の状況(預貯金など)
様々な状況に応じて判断する必要があり難しい条件になりやすいです。
住宅ローン残高の折半を考えている場合は専門家への相談をお勧めします。
なお、当事務所のご依頼者様の中で住宅ローン残高を折半する。という合意をした方はデメリットを考慮してゼロに近いです。
【参考情報】
・不動産の財産分与が難しい状況とは‐妻が連帯保証人のケース
・ローンが終わっている不動産の財産分与
・ローン残高が多い不動産の財産分与
・財産分与の注意点(不動産)
・不動産の財産分与の流れ‐財産分与に伴う不動産の名義変更
・離婚に伴う財産分与の公証役場手数料‐不動産の手数料も解説
離婚チェックシートの回答から始めませんか?
何度も内容のアップデートを繰返しています。
つまり開業以来の経験を多数反映したものとなっています。
離婚協議書や離婚公正証書作成のご依頼を頂いた場合、
これまでの経験を反映した離婚チェックシートの送付から始めます。
注)離婚チェックシートだけの販売は行っておりません。
何度も内容のアップデートを繰返しています。
つまり開業以来の経験を多数反映したものとなっています。
離婚チェックシートとは
1.計13ページ63項目を掲載
2.協議離婚に必要な情報を全て網羅
3.わかりやすいように○×回答形式で掲載
(注)一部手書きでの回答項目もあります。
主に養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割の情報を掲載。
20代~40代のご依頼者様が多いので養育費と面会交流の項目が多いです。
なお、3年位前からは世代を問わずご依頼を頂いております。
世代に応じてテーマになる離婚条件(退職金など)は異なりますが全て対応できます。
具体的には以下のような形で掲載しています。
・貯金の分配はどう記載しますか?(選択肢は3つ)
・動産の分配はどう記載しますか?(選択肢は3つ)
このように自分の考えを整理しやすいように掲載しているので、
自分で離婚条件の情報を集める必要はなく効率良く離婚の協議を進めれます。
注1)離婚チェックシートのみの販売はしておりません。
注2)弁護士法の規定により相手方との交渉はお引受できません。
離婚チェックシートに回答後、じっくりと打合せを行い、
ご夫婦の意向に沿った質量共に充実した離婚協議書や離婚公正証書などを作成します。
詳細は離婚チェックシートとはをご覧下さい。
【不動産の財産分与 2025/04/09】