住宅ローンを完済している不動産の財産分与‐離婚時の２つの選択肢

住宅ローンを完済しているご夫婦の特徴とは？

住宅ローンを完済している不動産の財産分与については、
協議離婚の話し合いで揉める可能性は低く、早めに合意できる可能性が高いです。

ここでは住宅ローンを完済している不動産の財産分与についてご夫婦が選べる選択肢をお伝えしていきます。

代表的な選択肢は２つ

① 離婚に伴い不動産を売却する
② 離婚後も一方が不動産に住み続ける

住宅ローンを完済している場合、銀行など第三者の関与を受けずに夫婦間で協議ができます。

この点は住宅ローンを返済中のご夫婦と比較すると大きなメリットと言えます。

先ず①離婚に伴い不動産を売却する場合、
売却益について○対○で分与（分配）するという協議を行います。

一般的に折半（５対５）が妥当であり、双方が納得できると考えられます。

なお、協議離婚は夫婦間の話し合いで進める離婚となります。
このことから以下のように何か事情があれば、折半以外の割合で柔軟な合意をすることも考えられます。

〈どのような状況？〉
・子どもが幼くて妻は離婚後数年間はフルタイムで働けない。
・熟年離婚のため妻は離婚後就労が難しい。

このような状況の場合、夫婦間協議の結果、妻が多めに受取る。という合意もあり得ます。

そして②離婚後も一方が不動産に住み続ける場合、
自宅に残る側が出る側に対して不動産の対価として現金などを渡すことになります。

〈不動産の対価の具体例〉
Ａ 預貯金を渡す
Ｂ 金銭を分割で支払う
Ｃ 自動車などを渡す

例えば、不動産の評価額が８００万円で折半で合意した場合、
不動産の対価としてＡ～Ｃの方法の中から、出る側が４００万円の対価を受取ることになります。

仮に離婚時に現金（預貯金）がなく分割払いを選択した場合、
離婚後の未払いとういリスクを避けるためにも離婚公正証書の作成をお勧めします。

離婚公正証書には強制執行（未払い時の財産差押え）という強い効力があり、支払率向上に繋がります。

名義変更という３つ目の選択肢はあり？

離婚に伴う財産分与として不動産の名義変更を行う選択肢はあり得ます。

〈具体例で解説〉
・婚姻中に一軒家を建設
・土地と建物の名義は夫単独
・住宅ローンは完済している

このような状況の場合、不動産の財産分与として夫名義から妻名義にすることも可能です。

当事務所でも５０代以降のご依頼者様の場合、この選択肢を選ぶケースがあります。

なお、離婚後のトラブル防止のためにもこの選択肢については書面（離婚協議書や離婚公正証書）に残すべきです。

ちなみに住宅ローンを返済中のご夫婦の場合、住宅ローンの借換などが必要になるためこの選択肢を選べるご夫婦は限定されます。

離婚協議書や離婚公正証書作成のご依頼を頂いた場合、
これまでの経験を反映した離婚チェックシートの送付から始めます。
注）離婚チェックシートだけの販売は行っておりません。

何度も内容のアップデートを繰返しています。
つまり開業以来の経験を多数反映したものとなっています。

離婚チェックシートとは

１.計１３ページ６３項目を掲載
２.協議離婚に必要な情報を全て網羅
３.わかりやすいように○×回答形式で掲載
（注）一部手書きでの回答項目もあります。

主に養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割の情報を掲載。
２０代～４０代のご依頼者様が多いので養育費と面会交流の項目が多いです。

なお、３年位前からは世代を問わずご依頼を頂いております。
世代に応じてテーマになる離婚条件（退職金など）は異なりますが全て対応できます。

具体的には以下のような形で掲載しています。

・貯金の分配はどう記載しますか？（選択肢は３つ）
・動産の分配はどう記載しますか？（選択肢は３つ）

このように自分の考えを整理しやすいように掲載しているので、
自分で離婚条件の情報を集める必要はなく効率良く離婚の協議を進めれます。
注１）離婚チェックシートのみの販売はしておりません。
注２）弁護士法の規定により相手方との交渉はお引受できません。

離婚チェックシートに回答後、じっくりと打合せを行い、
ご夫婦の意向に沿った質量共に充実した離婚協議書や離婚公正証書などを作成します。