離婚後も妻と子どもが不動産に残っても大丈夫?

著者は財産分与の問題に強い行政書士の辻雅清

公開

初めまして、行政書士の辻 雅清と申します。

2010年に開業以来、下記業務について力を入れております。

・離婚協議書作成(全国対応)
・離婚公正証書の代理作成(全国対応)

離婚に伴う財産分与で不動産の話し合いを行った結果、
離婚後も妻と子どもが残る。という結論を出すご夫婦が一部いらっしゃいます。
この結論にはリスクが含まれているので事前に理解した上で決めるようにして下さい。

ここではリスクについて具体例を交えながらわかりやすく解説します。

【目次】

○ 婚姻時の不動産の状況(一例)
○ 離婚後の不動産について協議した結果
○ 離婚後も妻と子どもが不動産に残るリスクとは?
○ 現実的に妻と子どもが残る以外の選択肢はある?
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?

このページは不動産の財産分与に特化した内容なので、
お金(預貯金)、動産など他の対象財産については掲載していません。

他の対象財産について詳しく知りたいという方は、
5分でわかる財産分与の相場割合と流れ‐家や貯金の分配方法をご覧下さい。

婚姻時の不動産の状況(一例)

・婚姻中に一軒家を購入
・土地と建物の名義は夫
・住宅ローンは夫の単独債務

離婚を前提に不動産を購入するご夫婦はいないです。

このことから不動産の名義は夫、住宅ローンも夫単独という形で購入するケースは多いです。

なお、不動産の名義が共有、住宅ローンはペアローンという状況の方もいます。
この状況の場合、夫婦間で別の結論を検討することも可能なのでお気軽にご相談下さい。

離婚後の不動産について協議した結果

・住宅ローンは夫の単独債務のまま
・離婚後の住宅ローンの支払は夫が行う
・離婚後、一軒家に残るのは妻と子ども

離婚時の状況によっては妻が仕事をできない可能性もあります。
このことから財産分与の夫婦間協議の結果、離婚後も妻と子どもが不動産残る。という結論を出すケースもあり得ます。

〈妻が仕事をできない状況とは?〉
・子どもが幼くて数年間はフルタイムで働くことが難しい。
・妻に持病があり、離婚後すぐに仕事をすることが難しい。

この結論についてはリスクがあるのでお勧めはできないです。
注)住宅ローンの契約書にはこの結論を認めない。と記載されていることもあります。

離婚後も妻と子どもが不動産に残るリスクとは?

① 元夫が住宅ローンの支払を滞る
② ある日突然、妻と子どもは家を失う

離婚後、仮に夫が実家に戻って生活をするのではなく、
賃貸物件などで生活する場合、夫は2つの住居費を支払うことになります。
つまり収入と支出のバランスを欠いてしまい①住宅ローンを滞納する可能性があります。

また離婚後の状況変化(夫の再婚など)によって滞納することも考えられます。

そして夫が支払う不動産に住む場合、離婚後も夫に依存することを意味します。
このように夫が住宅ローンの支払ができないと②ある日突然、妻と子どもは家を失うことになります。

表現は悪いですが離婚することでご夫婦は他人となります。
離婚後も他人と運命共同体という選択肢を選ばず、他の結論を検討することが離婚後のトラブル防止に役立つと考えられます。

なお、離婚後も妻と子どもが家に残る。という結論を出す場合、2つのリスクを知っておくことが大事です。

2つのリスクを知っていれば、いざという時のための準備(心構え)をすることが可能です。

現実的に妻と子どもが残る以外の選択肢はある?

当事務所では離婚後は実家に戻る。という結論を出す方が多いです。
注)安定した収入がある方の場合、新居を探す。という方もいらっしゃいます。

ただ実家がなくて戻れる家がない。という状況の方はこの結論しか選べない(選ばざるを得ない)という方もいらっしゃいます。

このことから日々不動産の財産分与は難しい。と感じることが多いです。

【参考情報】
不動産の財産分与が難しい状況とは‐妻が連帯保証人のケース 
住宅ローンを完済している不動産の財産分与‐離婚時の2つの選択肢
住宅ローン残高が少ない不動産の財産分与‐離婚時の選択肢を解説
住宅ローン残高が多い不動産の財産分与‐離婚時の2つの選択肢
不動産の財産分与の流れ‐財産分与に伴う不動産の名義変更

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・動産の分配はどう記載しますか?(選択肢は3つ)

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【不動産の財産分与 2025/07/02】