養育費の支払方法(振込先など)の疑問を解説

著者は養育費の問題に強い行政書士の辻雅清

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【目次】

○ 養育費の支払方法は2つの選択肢がある
○ 養育費の振込先は子供名義の口座でもよい?
○ 養育費を直接渡す(手渡し)メリットはある?
○ 口座開設から養育費の1回目支払までの流れ
○ 離婚後に子供名義に口座を作った方がよい?
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?

初めまして、行政書士の辻 雅清と申します。
2010年に開業以来、下記業務について力を入れております。

〈主力業務〉
・離婚協議書作成(全国対応)
・離婚公正証書の代理作成(全国対応)

最近、養育費支払の離婚公正証書を作成中のご依頼者様から養育費の支払方法(振込?手渡し?、子供名義の口座?)に関するご質問が増えています。

ここでは養育費の支払方法についてわかりやすく解説します。

このページは養育費の支払方法に特化した内容なので、養育費の相場、特徴、決め方、相場以外に検討する条件などは掲載していません。

養育費の相場などの情報については以下のページをご覧下さい。これから話し合いを始める方に役立つ内容です。
養育費の相場はいくらか知りたい‐年収別早見表や決め方を紹介

【著者情報】

2010年5月に大阪府大東市にて行政書士辻法務事務所を開業しました。

開業準備中、友人からの離婚相談を受け、離婚協議書や離婚公正証書作成のサポートを通じてお役に立てると知り、現在に至ります。

開業した頃の気持ちを忘れず、ご依頼者様を全力サポートすることをお約束します。

行政書士辻雅清のプロフィールはこちらをご覧下さい。

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養育費の支払方法は2つの選択肢がある

養育費は振込で支払うことが大事です

養育費はいくら?という相場に目が行きがちですが、支払方法も大事な条件です。よく考えた上で決めて下さい。

養育費の支払方法は2パターン

1.銀行振込を利用する
2.毎月、直接渡す(手渡し)

養育費の支払方法としては1と2、計2つの選択肢があります。

当事務所のご依頼者様の場合、100%銀行振込を利用しています。
手渡し(養育費を子供に直接渡す)の場合、様々な問題が起きるためお勧めできる支払方法とは言えません。

養育費の手渡しをお勧めできない理由は以下をご覧下さい。
養育費のトラブル(手渡し編)‐デメリットが多くお勧めできない理由

なお、銀行振込の中でも自動振込(送金)を利用する方も少数ですがいます。
少数の理由は養育費の自動振込や自動送金とは?‐支払方法を知りたいをご覧下さい。

養育費の振込先は子供名義の口座でもよい?

養育費支払方法として銀行振込を利用する場合、親権者名義(主に母親)の口座に振込むことに抵抗感(子供のためのお金を母親に払いたくないなど)を抱く父親がいます。

このようなケースでは養育費の振込先を子供名義の口座にすることをお勧めしていま。ただし、子供が複数いる場合は手数料の問題(子供が3人だと手数料は3人分必要など)があるので、じっくりと協議をして決めて下さい。

当事務所では子供が1人の場合は子供名義の口座への振込、複数いる場合は親権者名義の口座への振込という合意をされるご依頼者様が多いです。

なお、親権者の立場からすると養育費の振込先については、自分名義の口座でも子供名義の口座でも毎月振込んでくれるのであればどちらでもよいと考える方が多いです。

このことから親権者は支払者の気持ちを尊重しているので、特にどちらの口座に振込む。という点で夫婦間協議が難航するケースはないです。

〈まとめ〉
・養育費の振込先は親権者名義、子供名義の口座どちらでもよい。
・子供名義の口座に振込む場合、子供の人数分の手数料が必要。
・支払者の気持ちを優先して振込先口座を決めることができる。

養育費を直接渡す(手渡し)メリットはある?

養育費を直接渡す(手渡し)ということは面会交流の時に支払うと予想されます。

手渡しだと面会交流が確実に実施されると考えがちですが、養育費と面会交流は取引材料にできないので、この考え方は間違いです。 父親と母親双方が「子供の成長のため」という視点を持って面会交流をして下さい。

ちなみに「払った(受取っていない)」というトラブル、毎月の支払日がバラバラになるというデメリットは多数あります。

また養育費を子供に直接渡すという方法は封筒に入れるとしても現金の手渡しという生々しい状況になったり、子供自身が養育費が少なくないかという現金の確認を行う必要があるためお勧めできません。

こういう訳で養育費を直接渡すという方法で合意したご依頼者様はいないです。

口座開設から養育費の1回目支払までの流れ

1.子供名義の口座を開設
2.離婚届の提出=離婚成立
3.親権者が旧姓に戻る
4.子供の氏を母親の旧姓に変更
5.子供名義の口座の氏の変更手続き
6.養育費の1回目の支払日

母親が親権者の場合は3離婚に伴い旧姓に戻る可能性があり、離婚後、銀行で5子供名義の口座の氏の変更手続きをする必要があります。

【参考情報】
離婚後の戸籍と姓はどうなる?具体例を使ってわかりやすく解説
離婚に伴う子どもの戸籍と姓‐具体例を使ってわかりやすく解説

つまり離婚前に子供の口座を開設し、離婚後にこの口座の変更手続きを行います。

この流れだと以下のように考えるご依頼者様も多いですが、養育費の支払方法を書面(離婚協議書や離婚公正証書)に残す場合、振込先情報も記載するべきなので、離婚前の口座開設をお願いしています。

〈よくある養育費の振込先口座の疑問〉
・氏の変更のために2回も銀行に足を運ぶのは手間です。
・離婚後に子供名義の口座を開設すれば1回で済むのでは?

上述の通り、養育費の協議では金額に目が行きがちですが、支払率を上げるためにも細かい点(支払方法など)までこだわることが大事です。

また細かければ細かい程、離婚後のトラブル率を下げることに繋がります。

離婚後に子供名義に口座を作った方がよい?

養育費を子供名義の口座に振込む場合、離婚前と離婚後どちらのタイミングで子供名義の口座を作ればよいか?という疑問を持つ方が多いです。

養育費の条件を口約束で終える場合、離婚前と離婚後どちらのタイミングで作っても構わないです。(離婚に伴い親権者が旧姓に戻る場合は離婚後の氏の変更手続きを考えると銀行での手続きが1回で済む離婚後に作ることをお勧めします。)

一方、養育費の条件を書面(離婚協議書や離婚公正証書)に残す場合、書面に振込先口座情報(離婚前の氏名と離婚後の氏名の両併記)を記載するので離婚前に子供名義の口座を作る必要があります。仮に離婚後に子供名義の口座を作る場合、変更合意書などを作成し振込先口座情報の修正が必要となり手間がかかります。

【参考情報】
養育費の相場はいくらか知りたい‐年収別早見表や決め方
養育費はいつまで?‐子どもが何歳まで払う?という疑問を解決
養育費の公正証書を作成すると支給される補助金について知りたい
安心できる離婚協議書を作成‐書き方や効力、自分で作成する方法
ゼロから始める離婚公正証書の作り方

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離婚チェックシートの回答から始めませんか?

離婚チェックシートの概要

離婚協議書や離婚公正証書作成のご依頼を頂いた場合、これまでの経験を反映した離婚チェックシートの送付から始めます。
注)離婚チェックシートだけの販売は行っておりません。

何度も内容のアップデートを繰返しています。
つまり開業以来の経験を多数反映したものとなっています。

離婚チェックシートとは

1.計13ページ63項目を掲載
2.協議離婚に必要な情報を全て網羅
3.わかりやすいように○×回答形式で掲載
(注)一部手書きでの回答項目もあります。

主に養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割の情報を掲載。
20代~40代のご依頼者様が多いので養育費と面会交流の項目が多いです。

なお、3年位前からは世代を問わずご依頼を頂いております。
世代に応じてテーマになる離婚条件(退職金など)は異なりますが全て対応できます。

具体的には以下のように掲載されています。

〈離婚チェックシートの項目例〉
例「養育費の分割払いの終期は?(選択肢はA~E)」
例「教育費用(入学金など)はどうしますか?(選択肢は4つ)」
例「面会交流で中傷表現禁止事項を作りますか?(選択肢は2つ)」

このように離婚公正証書などの作成に必要な情報を掲載しているので、ご夫婦(自分)で離婚情報を集める時間は不要となり、効率良く話し合いができます。

なお、弁護士法の規定により、相手方との交渉はお引受できません。

補足として+aの条件も多数掲載しており、○と回答した項目が多い場合、養育費と面会交流の条件だけでもそれぞれ10個以上になるご依頼者様もいます。

+aの条件とは養育費と面会交流の項目に多く、これらを検討することで離婚後のトラブル防止や後悔しないことに繋がります。

こういう訳でご依頼者様からは大変好評を頂いております。

詳細は離婚チェックシートとは?‐15年以上の経験をベースに作成をご覧下さい。

【養育費 2025/12/26】