養育費はいつまで払う?(何歳まで?)

著者は養育費の問題に強い行政書士の辻雅清

公開

初めまして、行政書士の辻 雅清と申します。

2010年に開業以来、下記業務について力を入れております。

・離婚協議書作成(全国対応)
・離婚公正証書の代理作成(全国対応)

養育費はいつまで(何歳まで)?という終期は支払総額に関わる条件で、
養育費の金額(毎月の支払額)決定に次いで悩まれるご依頼者様が多いです。

今回はこの養育費の終期についてわかりやすく解説します。

【目次】

○ 養育費のいつまで(何歳まで)?の選択肢は3つ
○ 3つの選択肢の特徴や問題点を知りたい
○ 養育費は大学卒業までを選ぶ人が多い?
○ 養育費は18歳までを選ぶ人が多い?
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?

このページは養育費はいつまで?という終期に特化した内容なので、
養育費の相場、特徴、決め方、相場以外に検討する条件などは掲載していません。

養育費の相場などの情報についてはこちらのページをご覧下さい。
これから話し合いを始める方に役立つ内容です。

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養育費のいつまで(何歳まで)?の選択肢は3つ

養育費は子供が何歳まで払うの?という疑問に回答します

協議離婚は夫婦間の話し合いで離婚条件を決めるという特徴があります。
詳細は
5分でわかる協議離婚とは‐進め方などをわかりやすく解説をご覧下さい。

このことから養育費いつまで何歳まで)?という終期については、
夫婦間で合意(納得)すれば、無効な条件でない限り自由に決めることができます。

3つの選択肢とは?

1.高等学校の卒業月まで
2.20歳の誕生日月まで
3.4年制大学の卒業月まで

注)代表的な選択肢なので4つ目以降の選択肢もあります。

離婚時のご夫婦の状況や子どもの意思を考慮した上で、
夫婦間で話し合って、例1~3のように終期を決めることになります。

例1 子どもが幼くて将来の進路がわからないから終期は条件付きで1にする。
例2 支払者の夫は1を妻は3を希望したので、間を取って終期は2にする。
例3 子ども(高校生)が大学進学を希望しているから終期は3にする。

当事務所では終期を2又は3で合意するご依頼者様が多いです。

なお、離婚協議書や離婚公正証書を作成する場合、
学校表記のまま記載すると以下のトラブルが起きやすいのでご注意下さい。
学校表記とは「高等学校」や「4年制大学」といった抽象的な表現を言います。

・「高等学校卒業」と記載した場合、休学したら1年延長される?
・「4年制大学卒業」と記載した場合、浪人や留年したらどうなる?

こういったトラブルを避けるためには学校表記ではなく、
具体的な期日(ストレートで卒業する月)を記載することが望ましいです。
例)令和10年3月まで養育費5万円を支払う。

また浪人、留年、休学した場合はどうする?といった、
養育費の細かい+aの条件まで離婚協議の段階で決めるご依頼者様は多いです。

当事務所の離婚チェックシートには+aの条件を数多く掲載しております。

3つの選択肢の特徴や問題点を知りたい。

ここでは3つの選択肢の特徴や問題点をお伝えしますが、
どの選択肢を選んでも100%安心(トラブルは起きない)とはなりません。

ただ100%に近づけることはできるので、
養育費の終期に加えて、細かい+aの条件の合意をすることをお勧めします。

先ず1.高等学校の卒業月を選択した場合、
卒業後に進学した場合はどうなる?という問題が起きます。

高校卒業後に就職する場合だとこの問題は起きませんが、
進学することになった場合、その時点で延長協議になる可能性が高いです。

ここのポイントは「延長協議をするだけ」なので、
協議の結果、養育費支払の延長を拒否されるケースも考えられます。

この延長拒否の可能性というデメリットを知った上で選択して下さい。

次に2.20歳の誕生日月を選択した場合、
20歳の時点で学生だった場合はどうなる?という問題が起きます。

20歳の時点で学生だった場合、その時点で延長協議になる可能性が高いです。

ここのポイントは選択肢1と同じで「延長協議をするだけ」なので、
協議の結果、支払者から養育費支払の延長を拒否されるケースも考えられます。

また学生と言っても、どの教育機関に在学しているかによって、
延長協議がスムーズに進むこともあれば、進まないことも考えられます。
例1)短大に進学したので20歳の時点で卒業まで残り数か月となっている。
例2)4年制大学に進学したので20歳の時点で卒業まで約2年残っている。

この延長拒否の可能性というデメリットを知った上で選択して下さい。

最後に3.4年制大学の卒業月を選択した場合、
高校卒業後に就職した場合はどうなる?という問題が起きます。

また高校卒業後に進学したけど中退した場合はどうなる?という問題も起きます。

ここのポイントは「就職や中退した時の対応」になるので、
離婚協議の段階で「○○の場合は養育費は終了」と決めた方がいいと考えられます。

離婚協議の段階で決めておかないとトラブルになるのでご注意下さい。

養育費は大学卒業までを選ぶ人が多い?

上述の通り、夫婦間協議で養育費はいつまで(何歳まで)?を決めれます。
このことから以下のように離婚時の状況が何であれ大学卒業までを選ぶ方が多いです。

〈離婚時の状況とは?〉
・高校生の子どもが外国語学部への進学を希望している。
・子どもは小学生だけど大学を卒業してほしいと双方が希望している。

なお、養育費を受取る親権者(主に母親)の立場からすると、
子どもが幼くて進路予測が難しくても大学卒業まで払ってくれるなら安心。と考えるケースが多いです。

一方、3つの選択肢の特徴や問題点を知りたいでお伝えした通り、
養育費の支払者からすると進学しなかったらどうする?という疑問が起きます。

この疑問は+a(追加条件)の条件合意をすることで解消できるのでご安心下さい。+aの詳細についてはお気軽にご相談下さい。

以上のことから養育費は大学卒業までを選ぶ方が多いです。

養育費は18歳までを選ぶ人が多い?

言葉遊び(マジック)のような話になりますが、
養育費の終期を「18歳まで」としたご依頼者様は1組もいないです。

18歳までとは「18歳の誕生日月まで」という解釈もできます。
これだと「養育費は高校3年生の誕生日月に終わる」ということになります。
例)5月生まれの子どもの場合、養育費は高校3年生の5月で終了する。

つまり誕生日月の翌月から卒業する3月までの養育費はナシという意味になります。

こういう訳で「18歳まで」と考えているご依頼者様の場合、
上述した選択肢1「高等学校の卒業月まで」を終期として合意しています。

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離婚チェックシートの回答から始めませんか?

離婚チェックシートの概要

離婚協議書や離婚公正証書作成のご依頼を頂いた場合、
これまでの経験を反映した離婚チェックシートの送付から始めます。
注)離婚チェックシートだけの販売は行っておりません。

何度も内容のアップデートを繰返しています。
つまり開業以来の経験を多数反映したものとなっています。

離婚チェックシートとは

1.計13ページ63項目を掲載
2.協議離婚に必要な情報を全て網羅
3.わかりやすいように○×回答形式で掲載
(注)一部手書きでの回答項目もあります。

主に養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割などの情報を掲載。
20代~40代のご依頼者様が多いので養育費と面会交流の項目が多いです。

なお、3年位前からは世代を問わずご依頼を頂いております。
世代に応じてテーマになる離婚条件(退職金など)は異なりますが全て対応できます。

具体的には以下のように掲載されています。

例「養育費の分割払いの終期は?(選択肢はA~E)」
例「教育費用(入学金など)はどうしますか?(選択肢は4つ)」
例「面会交流で中傷表現禁止事項を作りますか?(選択肢は2つ)」

このように離婚公正証書などの作成に必要な情報を掲載しているので、
ご夫婦(自分)で離婚情報を集める時間は不要となり、効率良く話し合いができます。

なお、弁護士法の規定により、相手方との交渉はお引受できません。

補足として+aの条件も多数掲載しており、○と回答した項目が多い場合、
養育費と面会交流の条件だけでも、それぞれ10個以上になるご依頼者様もいます。

+aの条件とは養育費と面会交流の項目に多く、
これらを検討することで、離婚後のトラブル防止や後悔しないことに繋がります。

こういう訳でご依頼者様からは大変好評を頂いております。

詳細は離婚チェックシートとはをご覧下さい。

【養育費 2024/06/27】